掃除をしてたら、古いクラシックレコードが出てきました。
長年聴いてなくて、クローゼットに放り込みっ放しで「カビカビ」かと思いましたが結構綺麗な感じです。
そこで聴き直すことにしましたがプレイヤーが有りません、アンプは大昔KITで自作した真空管アンプがあります。スピーカーも古いのが鎮座してるので音が出そうです。
もう、お金を掛けてレコード聴く時代でも無さそうなので、Amazonで安いプレーヤーを買いました。
Player : DENON DP-29FS
Amplifier : エレキット TU-873LE
Speaker : ONKYO D-77RX
なんじゃ、その組み合わせは!ってツッコミは無しでお願いします。(笑)
ついでに、音楽に関しても素人ですから。

(2016年1月)

2016年7月15日金曜日

ブルックナー 交響曲第9番 オイゲン・ヨッフム ベルリン・フィル

レコードデーター

ブルックナー
交響曲第9番 ニ短調(原典版)
ドイツグラムフォン MGX7037 (2535 173)
オイゲン・ヨッフム 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン イエス・キリスト教会 1964年12月1-5日 

オイゲン・ヨッフムのブルックナーです。
オイゲン・ヨッフムはシャキシャキのバイエルン人で、ドイツ音楽の完璧な体現者です。
バイエルン放送交響楽団の初代首席指揮者で、バイエルン放送交響楽団をガンガンに鍛え上げて、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルに並ぶ超一流オーケーストラに育てました。
その後、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(当時はアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団)でも手腕を発揮しその実力を高めました。
バンベルグ交響楽団首席指揮者を退任した後も、結構活躍していた様子で、特に有名指揮者の急病でオペラの上演が危機だとか、コンサートがヤバイ、とかの急場に指揮台に立った事も何度かあった様です。
『誰某急病につき、本日のマエストロはオイゲン・ヨッフム』とか張り出されると観客がオオォとかどよめいて拍手が起こったとか・・

久しぶりに聴いてみました。
さすが、ヨッフムのブルックナーです。
第一楽章の荘重な神秘感はただ事ではありません、ブルックナーの交響曲も最後の第9番ともなると、荘重さも神秘さも最高レベルに達しています。
第二楽章はスケルツォです、第一楽章からころりと印象が変わって快活そのものです、楽譜に応じて空気までが踊っている様です。
第三楽章は又、荘重です、今度は神聖な感じです、カソリック信者のブルックナーの信仰告白を聞くような風にも感じます。
が残念、ここまで、第四楽章は未完成です、ブルックナーは筆半ばで亡くなりました。
遺言では第4楽章の代わりにテ・デウムを演奏してもよい、と言ったとか言われています。
最後に声楽曲を持って来るのは、ベートーベンの第九を意識しての事でしょうか?
そう言えば、両曲とも調性はニ短調です。

このレコードでも出ました「原典版」表記
ブルックナーの交響曲は色々版があって困りものです。
原典版、と言っても色々あります。
オイゲン・ヨッフムはノヴァーク版の使用を原則としていたのでこれもノヴァーク版だと思います。
ちなみに、オイゲン・ヨッフムは、国際ブルックナー協会の会長も務めていました。

ジャケットの写真もこのCDと同じです。同じ音源だと思います。

ブルックナー : 交響曲第9番ニ短調 ヨッフム / ベルリン・フィル

2016年6月6日月曜日

ハイドン 交響曲 第91番 第92番 カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

レコードデーター

ヨーゼフ・ハイドン
交響曲変ホ長調 第91番 Hob.I:91
交響曲ト長調 第92番 Hob.I:92 オックスフォード
ドイツ・グラムフォン MG2484 (2530 524)
カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン・ムジークフェライン大ホール 1973年9月22日 1974年4月22・23日録音

交響曲の父ハイドンの初登場です。
どれだけ凄いかと言いますと、77年程の生涯に、108曲もの交響曲を作曲しました。
数だけではなくて、そもそも交響曲と言う分野を発明?したのもハイドンです。
普通交響曲と言えば、標準的な構成が。
第一楽章・ソナタ形式 第二楽章・緩徐楽章 第三楽章・メヌエット 第四楽章・ロンド(ソナタ形式もあり)
で構成されるオーケストラ作品です。
貴族のための娯楽供用音楽から、作曲家や演奏家の芸術的精神の発露へと発展したものだと思います。

さっそく聴いてみました。
演奏自体は、完璧です。
ベーム、ウィーン・フィルで完璧でない訳がありません。
何しろ、曲自体が単純明快簡単明瞭です、世界一級のオーケーストラが完璧に演奏出来て当たり前です。
それだから、かえって難しいです、ここに指揮者の力量が問われます。
カール・ベーム得意の、素朴で洗練された表現が味わえるレコードです。
曲自体は92番の方が出来が良い様に感じます、91番は余りに単純明快簡単明瞭過ぎる様に感じました。

Hob.I:91 とか Hob.I:92 は、ホーボーケン番号です。
ホーボーケン番号はオランダの音楽学者アントニー・ヴァン・ホーボーケンさんがハイドンの作品目録を公刊した時に付けた作品番号です。
時系列ではなくて種別で分類されています。
例えば、Hob.I:91 のI は交響曲を表しています 91番目の交響曲 と言う意味の様です。
XXII はミサ曲とかに成っている様です。
判りやすくて良いと言えば良いです。


「CD版」ハイドン:交響曲第91番&第92番&協奏交響曲

2016年5月6日金曜日

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第12番 第16番 ウィーン・アルバン・ベルク四重奏団

レコードデーター

ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 作品127
弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調  作品135
東芝EMI EAC-90118
ウィーン・アルバン・ベルク四重奏団
スイス連邦 セオン 1981年 12月18-21日 録音

あれ?と思います。
レコードジャケットには、ちゃんとウィーン・アルバン・ベルク四重奏団と記載されていますが、本当はアルバン・ベルク四重奏団が正しい様です。
どうして、ウィーンがくっついているのでしょうか。
アルバン・ベルク四重奏団では、レコードが売れないと思って、東芝EMIがもっともらしく、ウィーンを勝手に付け足したのでしょうか?
私は一度、ザ・シンフォニーホールで聴きました、その時もウィーンがくっついていた様に思いますが、昔の事なので記憶があやふやです。
ハッキリと記憶してるのは演奏が大変素晴らしかった事と、メンバーの頭頂部が結構薄いなぁ~と感じた事です。
座席が三階の端の方で、真上から見下ろす感じだったので、頭頂部がやけに目についた訳です。
私がもし演奏法に詳しかったら指の運びとか観てたかも知れませんが、俗物なので頭頂部しか観てませんでした。

このレコード、流石です、一流の完璧な演奏だと思いました。
美しい静寂さを感じる程です、実際は結構深遠な曲かも知れませんが、そう言う風には感じさせず、静寂さを感じる素晴らしい演奏です。
アルバン・ベルク四重奏団は名の通り現代音楽(12音技法なんか、もう完全に古典音楽の領域かも知れませんが)が得意そうに思いますが、古典中の古典ベートーベンをこれ程素晴らしく聴かせるのはその実力の証だと思いました。

レーベルはエンゼル・マークの東芝EMIです。昨今東芝と言えば事業の切り売りでしのいでる様ですが、レコード部門なんかはとうの昔に処分されていて、2007年には資本を引き上げているようです。
その後、例によって紆余曲折、今はユニバーサルグループの様です。
このエンゼル・マークもレコード・CDではお馴染みでした。
録音場所はスイスのセオンですが、多分よく録音に使っていた福音教会では、と思います(想像)。


こちらはワーナー・パイオニアのCD版

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番&第16番(クラシック・マスターズ)



2016年4月8日金曜日

リムスキー=コルサコフ 交響組曲 シェエラザード カラヤン ベルリン・フィル

レコードデーター

ニコライ・リムスキー=コルサコフ
交響組曲 シェエラザード 作品35
ドイツ・グラムフォン 20MG0345 (2543 056)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ミシェル・シュヴァルベ バイオリン
ベルリン イエス・キリスト教会 1967年1月26日-31日

なんと、カラヤンもベルリン・フィルも初登場です。
その昔、なんとなく派閥があって、カール・ベーム VS ヘルベルト・フォン・カラヤン とか、ウィーン・フィル VS ベルリン・フィル とか。
又は、ベーム+ウィーン・フィル VS カラヤン+ベルリン・フィルとか。
その分類でいくと、私はなんとなく、ベーム+ウィーン・フィル派だった様に覚えています。
今回もカラヤンが後回しになったのは無意識に過去の記憶が作用してたのかもしれません。
リムスキー=コルサコフですがロシアの作曲家で国民楽派と言う分類に入っています。
国民楽派とは一般に、ロマン派の作曲家で民族主義的な音楽を書く作曲家の事です。

聴いてみました、さすがカラヤンとベルリン・フィルです、一部の隙もありません、完璧な演奏です。
海原を波をかき分け進んで行く大型帆船が、目に浮かんでくるようです。
交響曲とは違い情景音楽ですから、こうでないといけません、カラヤンとベルリン・フィルの面目躍如と言った演奏です。
千一夜物語ですから物語も1001章あるはずですが、数え方にもよりますが実際は282夜分40話とかだそうです。
曲になっているのは4話でシンドバッド、カランダール王子、若い王子と王女、バグダットの祭りです。
どの楽章も、シェエラザードのテーマが現れて曲全体を印象づけます、40分ほどの曲ですがあっという間に終わって飽きさせません、演奏も素晴らしいせいでしょう。

録音は、ドイツ・グラムフォンです、1967年と古い録音ですが大変良く録れている様に思います。
録音場所が、ベルリン イエス・キリスト教会です、ドイツ・グラムフォン+カラヤン+ベルリン・フィルの組み合わせで、大変多くの名演の録音が残されています。
便利な時代です、どんなところかGoogle MAPで見てみました。
https://goo.gl/maps/TTna5h9b6wp
周囲の環境も含めて、大変美しい所です。

このCDとは違う録音だと思います。

R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」/ボロディン:だったん人の踊り

2016年3月28日月曜日

モーツァルト 嬉遊曲 第7番 第11番 ウィリー・ボスコフスキー ウィーン・モーツァルト合奏団

レコードデーター

モーツァルト
嬉遊曲第7番  ニ長調 K.205
嬉遊曲第11番 ニ長調 K.251
ロンドンレコード K18C-9219 (キングレコード)
ウィリー・ボスコフスキー 指揮
ウィーン・モーツァルト合奏団
ゾフィエンザール・ウィーン 1973年6月

モーツアルトの嬉遊曲の登場です。
指揮はウィリー・ボスコフスキー、演奏はウィーン・モーツァルト合奏団。
もう、思いっ切りウィーン風の演奏が期待できるレコードです。
ところで、この嬉遊曲と言う曲名、子供の頃から奇妙な曲種だなぁ、と思ってました。
原語はイタリア語でディベルティメントと言います。
セレナードとかと同じ範疇の曲種です、解説本などでは、ちょっと大きめのオーケストラで屋外で演奏するのがセレナード、ちょっと小さめの編成で屋内で演奏するのがディベルティメント、と言う様な説明です。
判った様な判らん様な説明ですが、ざっとそんなものらしいです。
ディベルティメントを「嬉遊曲」って呼ぶのは何か奇妙に感じます、そのまま「ディベルティメント」で良いとか思いますが、イタリア語を活かして「気晴らし曲」とでも言ってみたらどうかな、と思ったりします。

聴いてみました、古い録音ですが大変美しく聴こえます。
ウィリー・ボスコフスキーは典型的なウィーンっ子でウィーンの音楽の隅から隅まで知り尽くしています。
ウィーン・モーツァルト合奏団も実質的にウィーン・フィルの選抜メンバーです、この演奏には誰も口答えできません。
貴族や豪商の遊園に演奏された音楽ですが妥協はありません、交響曲などと比べても、楽器の種類に因る制限はありますが遜色はありません。
それでいて、場を引き立てる様に作曲されているのはさすがモーツァルトです。

録音はロンドンレコードです。
さすがクラッシク音楽の老舗です、どう録ったら良いか心得ています。
録音場所は、ウィーン・ゾフィエンザールです、ロンドンレコード(デッカー社)がウィーンで好んで使っていたホールですが2001年に火災にあって、暫くの間廃墟に成ってしまいました。
しかし、知らん間に復活した様で、ホールをメインとした宿泊文化施設に成っている様子です。
ホームページを見たら結婚式場がイチオシみたいです、50人プランで900ユーロから(会場代だけか??)(笑)
http://sofiensaele.com/


ウィリー・ボスコフスキー

モーツァルト:セレナード&ディヴェルティメント集


2016年3月17日木曜日

バッハ 管弦楽組曲(全曲) ニコラウス・アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

レコードデーター

J.S.バッハ
管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV1066
管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067
管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068
管弦楽組曲 第4番 ニ長調 BWV1069
キングレコード K15C-9050/1 TELEFUNKEN 6.35046
ニコラウス・アーノンクール 指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

レコードの聴き直しを始めて早2ヶ月、振り返ってみると、管弦楽曲の分類をまだ1回しか聴き書いていませんでした。
何か無いかと探せばこれが出て来ました、バッハの管弦楽組曲全集、全集と言っても4曲ですがバロック期の代表作です。
奇しくも指揮者のニコラウス・アーノンクール氏の訃報に接したばかりです、彼は2016年3月5日に亡くなりました(86歳)。
アーノンクールはチェロ奏者でしたが、古楽器演奏団体ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを立ち上げて、古楽器による演奏のパイオニアとして有名になりました。
このウィーン・コンツェントゥス・ムジクスやコレギウム・アウレウム合奏団とかが草分け的存在だとおもいますが、それ以後次々と古楽器のオーケストラが設立されたのを思い出します。
どれも、呼び難い名前で困った様な記憶があります。

さて、久しぶりに聴いてみました、まさに古楽器の鄙びた音色です、最近はこれが常識ですが当時は聴く人は驚いた事だろう、と思います。
管弦楽組曲と言う名前ですが、舞曲集と言って良いと思います、そして各曲とも一曲目はフランス風序曲です。
このフランス風序曲が大変印象的です、引きずる様な付点リズムの長~い音符の重壮な緩徐部、フーガー様の複雑で急速な展開部、そして付点リズムの緩徐部という三部構成です。
このフランス風序曲の後に6曲ないしは4曲の舞曲が続く形式です。
私の好きな順番ですが。
管弦楽組曲 第三番
管弦楽組曲 第二番
管弦楽組曲 第四番
管弦楽組曲 第一番
と言う順番です、好きな順番ですから理屈はありません。
第三番の2曲目を編曲したのが、しばしば聴くG線上のアリアです、元はエアで舞曲では無さそうです、エアと言ってますがアリアと同じで英語かイタリア語かの違いだと思います。

キングレコードですが元の録音はTELEFUNKENです。
テレフンケンと言えばドイツの最先端の電子機器メーカーだった、と言うイメージですが、そこの関連でしょうか?
結局、このテレフンケンが発展的にデッカ・レコードになった??と言う事の様ですが詳しくは知りません。

バッハ:管弦楽組曲(全曲)

ジャケットが違いますが多分このCDだと思います。

2016年3月10日木曜日

モーツアルト ホルン協奏曲集 カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

レコードデーター

モーツアルト
ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 K.412
ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447
ドイツ・グラムフォン 28MG0001 (2531 274)
カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ギュンター・へグナー ホルン
YAMAHA YHR-801 ホルン
ウィーン・ムジークフェラインザール 1978年-1979年

作曲がモーツアルト、指揮がカール・ベーム、ホルンがギュンター・へグナー、オーケストラがウィーン・フィル、史上最強のホルン協奏曲です、これ以上の布陣はあり得ません。
が、しかし、このレコードの隠れたスターは、YAMAHA YHR-801です。
それって何?と言う事だと思いますが、ジャケットの写真を御覧下さい、ホルンに燦然と輝くYAMAHAの文字、そうです、このホルン協奏曲には、YAMAHA御謹製のホルンが使われているのです、当時は大騒ぎでした。
ウィーン・フィルは音色を一定水準に保つため楽団備え付けの伝統的楽器を使っているそうです。
その中で特に難しいのがホルンです、ダブルピストン・バルブとかと言う古式で、演奏が難しい上に、ヨーロッパでも製造の伝統技法が上手く伝承されてなかった様で、YAMAHAに発注が来た様です。
当時新聞とかでも良く報道されていたのを覚えています、大阪万博のちょっと後位の時期だったと思います。
昨今と違って、日本の華やかかりし成長期のお話です。

ホルンのお話はその程度で、さっそく聴いてみました、さすがベームとウィーンフィルです、録音も良く芳醇なウィーンの響きを聴かせてくれます、ベームの棒も晩年ほども枯れてなくて、優雅なだけでなく覇気すら感じられます。
モーツァルトはホルン類が好きなのか、ポストホルン・セレナードやポストホルン交響曲なども作曲しています、しかし、協奏曲ではこのホルン協奏曲4曲が素晴らしいです。
YAMAHAのホルンもウィーン・フィルにしっかりとけ込んでいます(生まれも育ちもウィーンのホルン名人、へグナーが吹いてるから当然)
一番だけニ長調ですが、この4曲はモーツアルトの仲間でホルンの名人だったロイトゲープのために作曲されたと言われています、結構仲が良かった様子で、楽譜にロイドゲープをからかう様な落書きもある様です。

レーベルは、黄色が印象に残る、ドイツ・グラムフォンです、クラッシク音楽の王道を行く安心できる録音です。
録音ホールは、あの有名なウィーン・ムジークフェラインザールです、日本語ではウィーン楽友協会大ホールとか言います。
ウィーン・フィルの本拠地であのニューイヤー・コンサートの黄金ホールの事です。
ちなみに、ウィーン・フィルはウィーン国立歌劇場管弦楽団からの選抜メンバーで構成されています。

モーツァルト:ホルン協奏曲(全4曲)



2016年3月4日金曜日

ブルックナー 交響曲第7番 カール・シューリヒト ハーグ・フィルハーモニー

レコードデーター

ブルックナー
交響曲第7番 ホ長調 
日本コロンビア OC-7259-PK
カール・シューリヒト 指揮
ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団

出ました!カール・シューリヒトの登場です。
好きな指揮者は誰?と私位の年の人に聞けば、カラヤンとかカール・ベームとか出てくるでしょう、私の感覚ではカール・ベームと答える方が何か渋みのある奥深い人だと思われそうな気がします。(あくまでも個人的見解)
いや、もう少し上の世代の指揮者では?って聞かれたら、ある人はフルトベングラーと言い、クナッパーツブッシュと答えるでしょう、しかし私はカール・シューリヒトと答えます、すると何か凄く通に成った気分に成れます、カール・シューリヒトとはそう言う指揮者です。(完全に私見)
カール・シューリヒトは思いっ切り早振りの指揮者です、レコード2枚組が当たり前の長い交響曲でも1枚に納めてしまいます。(このレコードも1枚です)
買う人は、ほぼ半額でレコードが買える奇特な指揮者です。
と、こう言うのは都市伝説めいている訳ですが、更に都市伝説話しを一つ。
ウィーン・フィルでモーツアルトの交響曲か何かを演奏した時、拍子の振り分けを誤って倍速で演奏したとか言う伝説もあります。
タダでも早いのに更に倍速とは恐ろしい速さですが破綻せずに演奏出来た手腕はシューリヒトとウィーン・フィルだからこそだと思います。
カール・シューリヒトの演奏は早いだけではありません、テンポがめまぐるしく変化します、楽譜の速度記号など結構無視している感じです、にもかかわらずピッタシとその交響曲を表現出来のがカール・シューリヒトです。
おっと、ブルックナーを忘れていました、ブルックナーは私の好きな作曲家の一人です、その交響曲は重厚長大、その重厚さも長大さも半端ではありません、三菱重工と石川島播磨重工と住友化学と新日鐵が合併してもブルックナーの交響曲の重厚長大さには敵いません。(例が変過ぎるか)

久しぶりに聴いてみました、ブルックナーは敬虔なカソリック信者でオルガン奏者だったので交響曲の響きもオルガン的です。
シューリヒトの棒は素晴らしい速度で演奏を進めて行きます、聴く人に息をつかせません、テンポの変化もめまぐるしく、重厚長大産業が最新のIT企業に変わったかの様です。
しかし、ブルックナーもシューリヒトもゲルマン音楽の体現者です、ドイツ風の手堅い表現はそのまま生かされています、オーケストラが一流だったら古今東西の超名演奏として記録されたと思います。

レーベルは日本コロンビアです。
コロンビアと言えばCBS SONY ですが日本コロンビアは違う様で、毎度の事ながら複雑でよく判りません、日本コロンビアって聞くとなんとなく演歌・歌謡曲ってイメージでピンときません。
オーケストラのハーグ・フィルハーモニー管弦楽団は多分、ハーグ・レジデンティ管弦楽団の事だと思います。
輝かしい歴史を持っていて高名な音楽家が多数指揮台に上がっています・・・・が、このレコードではもう一つ冴えません、と言いましょうか、他にはほとんど聞きません。
この古めかしいシューリヒトのブルックナーが唯一の金字塔のかな、と思ったりします。
ハーグ・レジデンティ管弦楽団のホームページを見たら、案外オシャレでした。


ブルックナー:交響曲第7番(CD版)

2016年2月25日木曜日

マーラー 交響曲第1番 オットマール・スイトーナー ドレスデン国立管弦楽団

レコードデーター

グスタフ・マーラー
交響曲第1番 ニ長調 巨人
ドイツ・グラムフォン MGW 5108 (2544 061)
オットマール・スイトーナー 指揮
ドレスデン国立管弦楽団
1962年5月22日-24日
ドレスデン・ルカ教会 

R.シュトラウスを聴きましたので、近い世代の作曲家のレコードが無いかと探しましたら、目についたのがこれです。
マーラー作曲 交響曲第一番「巨人」です、しかも指揮者はオットマール・スイトナーです。
スイトナーは、NHK交響楽団とも関わりが深く、日本でも大変有名で人気のあった指揮者です、東ドイツを代表する指揮者で手堅いドイツ風の音楽を聴かせてくれました。
私はザ・シンフォニーホールでの演奏会を聴きに行った事があります、オーケストラはベルリン交響楽団(東)??だったと思いますが、あやふやです。
プログラムはブラームスでした、出だしは調子に乗れない感じでしたが、さすがスイトナー後半にクライマックスを上手に持って行き大喝采で終わった記憶があります。
オーケストラが引き上げて客電が点灯しても拍手が鳴り止まず、スイトナー氏が独り舞台に戻ってこられて、ステージの端から端までゆっくり会釈しながら歩かれたのを覚えています、相当な名演だったと思います。

さてマーラーです、聴いてみました。
この「巨人」と言うタイトルは渾名ではなくマーラー自身がつけたタイトルです。
ジャン・パウルの小説「巨人」からとってその小説の雰囲気を交響曲に表した様です。
マーラーですから凝っています、弦の引っ張るような長い音の上で管楽器の動機やらファンファーレが鳴り響き重々しく始まります。
とか言っても仕方ないので、ズバリ簡単に言います。
私は第二楽章がお気に入りです、多分、スケルツォだと思います、舞曲です、スイトナーは十分にリズムを意識して演奏しています、やっぱりこうじゃなければいけません、トリオは優雅なワルツを感じさせます。
古い録音ですが全体的にしっかり録れている様に感じました。

録音はドイツ・グラムフォンです、クラッシクの王道を行く手堅い録音です。
オーケストラはドレスデン国立管弦楽団と表記されていますが、東ドイツ当時の呼び方で、今のザクセン州立歌劇場管弦楽団だと思います、普通はシュターツカペレ・ドレスデンとか言って、有名なゼンパー・オーパー(ザクセン州立歌劇場)の座付楽団でもあります。
ドイツは連邦制で、ゼンパー・オーパーもこのザクセン州のオペラハウスです、ちなみにドレスデンはザクセン州の州都です。
録音場所はドレスデン・ルカ教会です、ここはクラッシク音楽録音の定番です、下手なコンサートホールなど及ばない素晴らしい音響で有名です。

オットマール・スイトナーとN響のCD

N響85周年記念シリーズ:マーラー:交響曲第1番「巨人」、第2番「復活」/オットマール・スウィトナー (NHK Symphony Orchestra, Tokyo) [2CD]

2016年2月19日金曜日

R.シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき ズービン・メータ ニューヨーク・フィルハーモニー

レコードデーター

リヒャルト・シュトラウス
交響詩 ツァラトゥストラはかく語りき 作品30
CBS SONY 20AC 1589
ズービン・メータ 指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
1980年1月12日 録音
エイヴァリー・フィッシャー・ホール  ニューヨーク

バロックや古典派ばっかり続いたので、もう少し新しい時代のも聴きたいと思ってジャケットをパラパラめくってると、目についたのがこの『目』のジャケットです。
これは見覚えがあります、出た当時、画期的な素晴らしい録音、デジタル録音の特性を完璧に・・・・どうたらこうたらと言って持てはやされたレコードです。
リヒャルト・シュトラウスの「交響詩ツァラトゥストラはかく語りき」です。
これは映画「2001年宇宙の旅」の主題音楽で有名です。
当時、「羊羹みた?」とか言うのが流行りました(自分の周囲だけか?)あの謎の立方体が羊羹みたいだと言うわけです。
ズービン・メータはインド人で若手実力派指揮者No.1と言う印象でした、が今や大巨匠でウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでも常連の名指揮者です。
この録音の前にロサンジェルス・フィルハーモニック時代に一度これを録音していますが、ニューヨークに移って又録音してるので本人も気に入っている曲では、と想像しています。

さっそく針を下ろしてみました、冒頭のオルガンの低音!レコードとCDの比較とか色々うるさい話が流行りましたが、どっちにしろ16Hzとかが再生出来るはずがありません、まして我が家のボロセットではあり得ません、そう言う話は抜きにしてやっぱり結構良く録れてるレコードの様に感じました。
リヒャルト・シュトラウスの曲はどれでもですが、私はワルツがお気に入りです。
ワルツと言えばヨハン・シュトラウスですがリヒャルト・シュトラウスのワルツの方がセンス良く大好きです。
しかし、ズービン・メータはこのワルツを良く歌わせている、と言う雰囲気ではありません、なんかちょっと物足りない感じが残りました。

レーベルはCBS SONYです、CBS SONY と言えばあまりクラッシク音楽のイメージが無いですが結構たくさん出しています、SONYがついてる通りデジタル録音も黎明期から取り入れていた様に思います。
この録音が1980年で、CDが出始めたのが1982年と言うことですから、レコードの終焉期の録音だと思います。

R.シュトラウス : ツァラトゥストラはかく語りき / ムソルグスキー : 展覧会の絵他 CD版

CDでもちゃんと出てる様です。

2016年2月12日金曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第26番 ジャンフランコ・リヴォリ アムステルダム.フィルハーモニー リリー・クラウス

レコードデーター

モーツァルト
ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 KV537 「戴冠式」
ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 KV459
Columbia 日本コロンビア OC-7269-PK
ジャンフランコ・リヴォリ 指揮
アムステルダム・フィルハーモニー協会管弦楽団
リリー・クラウス ピアノ

これぞ正にウィーン古典派のピアノ協奏曲と、私が勝手に決めつけているのがこのモーツァルト「戴冠式」です。
有名な映画「 アマデウス」の世界がそのまま音楽に成った感じです。
そして、ピアノがなんとリリー・クラウスです、私の感覚では歴史時代のピアノの巨匠です。
第二次世界大戦中、ジャワ島を演奏旅行中に日本軍の捕虜になったと言う逸話の持ち主です、捕虜という点に関しては、軟禁とか保護とか色々言われていますが、戦後何度か来日公演してる様なので、そんなに酷い扱いでは無かったのかな、と思ったりしますが真相は良く知りません。

さて、聴いてみましたがビックリです、オーケストラが大変マズイです、第一楽章はアレグロですから早くて良いのですが、タダ早いだけで足並みが揃いません、何かバラバラと急いでいる感じです、結局最後まで良い所は少なかった感じです。
それに比してピアノは素晴らしい、さすがモーツアルト弾きです、すっかり手に馴染んでいます。
オケはどこやねん!って見たら、アムステルダム・フィルハーモニー協会管弦楽団ってなっています、そんなの聞いた事無いです、多分録音用に臨時に編成されたオーケストラでは?と思ったりします。
何で、アムステルダム・コンセルトヘボウとかを使わんのや、ってツッコミを入れたく成ります。
第19番 ヘ長調 KV459の方も戴冠式です、こちらは「小戴冠式」とあだ名されています、どういう経緯かとかは、色々本に出ているのでここでは書きません。
19番も華やかな協奏曲ですが、調性がヘ長調なので、ニ長調には負ける感じです。

レーベルはコロンビアレコード(日本コロンビア)ここはややこしくて、よく判りません、アメリカのコロンビアはCBSの子会社(と言う事はソニー系?)で、日本コロンビアはそのアメリカのコロンビアとは提携してるが別の資本だと思います。
まぁ、私の印象ではそれ程クラッシク音楽に強く無い、と言う感じです。
コロンビアは本当にややこしいです。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」/同第19番
↑これがそうだと思います。


↑これは別の録音だと思います。

2016年2月6日土曜日

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第五番 フリードリヒ・グルダ ホルスト・シュタイン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

レコードデーター

ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第五番 変ホ長調 「皇帝」
LONDON L16C-1611
ホルスト・シュタイン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
フリードリヒ・グルダ ピアノ

交響曲、声楽曲と聴いたので次は協奏曲です、何か無いかと思っていたら手に触れたのがこの一枚です。
ドエライのに触れてしまいました、ベートーヴェンの皇帝です、しかもピアノがフリードリヒ・グルダ。
演奏がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はホルスト・シュタインです。
フリードリヒ・グルダと聞くだけでビクビクものです、グルダと言えば謂わいる奇人変人と言うイメージです、もういきなりジャズのベートーヴェンかと恐れます。
一方指揮者のホルスト・シュタインは筋金入りのオペラ指揮者で音楽の隅から隅まで知り尽くし、又、国立歌劇場総監督として客の入り収支の心配、空調や水道の設備の報告まで聞く達人です。
シュタインさん余りに達人過ぎて、職人芸だとか悪口を言う人もいましたが、巨体に似合わずキビキビした歯切れのよい指揮ぶりで、指揮棒で音楽の解説してる様な感じで観客も安心して聴ける指揮者です。
N響にもしばしば客演していて、日本でも大変有名です、来日インタビューでこんな事言ってたのを思い出しました、「我々は2時間ドライブして海岸で夕日を眺めると言うチョイスに勝てるだけの演奏をしなければならない」こんな感じの言葉だったと思います、さすが国立歌劇場総監督経験者は言う事が違います、大変感心致しました。
日本といえば、グルダの二番目?の奥さんは日本人だったと記憶しています。

さっそく聴いてみました。
第一楽章の初っ端からいきなりピアノのカデンツァです、「皇帝」と言う名に相応しい豪快な始まり方です。
ちなみに「皇帝」と言う曲名は後から勝手に付いた名前でベートーヴェンの知った事ではありません。
グルダは奇を衒わずそのまま極自然に演奏している様子です、何かアクシデントを期待して聴くなら、明らかに期待はずれです。
しかし、私には良い意味で期待はずれで、ウィーン古典派全盛期最後の協奏曲とはこれだと言わんばかりです。
当然の事ながら、達人のホルスト・シュタイン指揮のウィーン・フィルの伴奏です、完璧で無いはずはありません。
グルダの持つクラッシクからジャズまで熟せる技量が演奏に十分反映された名演だと感じました。

LONDON ロンドンレーベルもドイツ・グラムフォンと並ぶクラッシク音楽のメジャーレーベルだと言うのが私の印象です。
英国 デッカーレコードがそれですが、商標権の問題とか有ってロンドンレコードを使っている様な話を随分前にラジオか何かで聞いた記憶があります。
色々買収やら吸収やらあって今はポリドールの傘下になってるらしいです。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、テンペスト

CDで出てる様です、ジャケットが異なりますがこれでしょうか。

2016年2月3日水曜日

ジョゼフ=エクトル・フィオッコ ミサ・ソレミニス ニ長調 ジェリー・ルメール リエージュ合奏団

レコードデーター

ジョゼフ=エクトール・フィオッコ
ミサ・ソレミニス ニ長調 (荘厳ミサ曲ニ長調)
エラート ΣRATO REL-1514~1515
ジェリー・ルメール 指揮
リエージュ合奏団
アントウェルペ・アウディーテ・ノヴァ合唱団
ヘント・カンタータ合唱団
モーリス・アンドレ トランペット

バッハのミサ曲ロ短調に続いて登場するのは、ジョゼフ=エクトール・フィオッコのミサ・ソレミニス ニ長調です。
ミサ・ソレムニスは普通、荘厳ミサと訳されます、曲が荘厳だから荘厳ミサ曲か、と言うと違いまして荘厳ミサと言うミサの一形式です、最近は盛儀ミサと言うのが正式な訳に成ってる様です。
フィオッコですが、特別有名ではありません、が、実績が無い訳ではなくて教会楽団楽長など色々楽界の要職を歴任していて、相当活躍していた様です。
代表作がこの大作、荘厳ミサ曲ニ長調です、しかし残念ながらその総譜は伝わっていません、かろうじて教会役員が記譜した手稿譜のみが現存している様です。
このレコードも他のCDでもそうですが、指揮者によって総譜の形が整えられて演奏されるのが普通で、版によって差異がある場合がある様です。

改めて聴きましたがさすが年代を経て残った名作だけのことはあります、それ程キンキラキンに華々しい音楽ではありませんが教会の盛儀ミサで演奏されるのにふさわしい音楽です。
特にクレドは聴き所で重厚壮大、信仰告白に相応しい内容です。
「三日目によみがえり」からの合唱とトランペットの輝きは素晴らしく、トランペットに関しては一番の聴かせどころです、で、あわててレコードのトランペット奏者を確認すると、前回のバッハのミサ曲ロ短調でも吹いていたモーリス・アンドレでした、やっぱり一人者で引っ張りだこです。

このレコードもΣRATO エラートです。
やっぱりバロックやそれ以前の古楽に強いです、しかし、古楽に強い新興レーベルが古楽器演奏の流行に伴って、色々出て来ているので中々厳しい様です。
ΣRATOでは別の演奏のCDも出ています、フィオッコ:ミサ・ソレムニス(ルイ・ティボー指揮)、このCDも時々聴いています。

フィオッコ:ミサ・ソレムニス【中古LP】

レコードは中々入手が難しそうです。

2016年1月30日土曜日

バッハ ミサ曲ロ短調 ミッシェル・コルボ ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル

レコードデーター

J.S.バッハ
ミサ曲ロ短調 BWV232
エラート ΣRATO ERA2142/3
ミッシェル・コルボ 指揮
ローザンヌ声楽アンサンブル ローザンヌ器楽アンサンブル
モーリス・アンドレ トランペット
オーレル・ニコレ フルート

交響曲ばっかり4曲続いたので声楽曲を聴きたいと思いました、手に取ったのは、ミッシェル・コルボとローザンヌ・アンサンブルでバッハのミサ曲ロ短調です。
バロック音楽の巨匠と言えば、言わずと知れたこのJ.S.バッハです、そして彼は音楽史通じてでも、最も偉大な巨匠の一人です。
その巨匠の集大成がこのミサ曲ロ短調 BWV232だと言う事で良いと思います。
このミサ曲には曲の形式上の問題が幾つか存在している様に言われています、即ちカソリックとプロテスタントの関係上の形式や信仰に関する事です。
そう言う事は専門家に任せておいてさっそく聴いてみました。

スッキリ、ハッキリしています、音楽の景色が良く見えます。
今やこの曲を小編成のアンサンブルやコーラスで演奏するのは当たり前ですが、コルボがこの録音を録るまでは、大編成のオーケストラと大合唱団で演奏するのが普通だった様です、まるで年末の第九みたいな感じだったのでしょうか?
しかし、バッハの頃の演奏を目指したコルボは小編成にこだわった様です。
まぁ、最近では楽器も古楽器、発声も古式、各パート一人づづとか言うのも出てて、今のレベルから見ると不十分ですが当時では画期的だった様です。
曲全体は5部構成で、キリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・ディ、全体通して聴くと1時間半程度ですが全く飽きる場面がありません、さすがにバッハ集大成と言われる作品です。
我がお気に入りの楽章を上げておきましょう、元気好きの私しですからやっぱりグロリアです、天上に素晴らしく響き渡る3本のトランペットとティンパニー、神を暗示する正確な三拍子、これほど完璧に神の栄光を称える曲は稀でしょう。
声楽のソリストの名前を見ても判らない人がほとんどで、我が不明を恥じ入るばかりですが、管楽器ではトランペットにモーリス・アンドレ、フルートにオーレル・ニコレと言う超絶名人を揃えて、コルボのこの録音に対する意気込みを感じます。
ちなみに、バッハの声楽作品は、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ミサ曲ロ短調、この三曲がトップ3と言われてますが、私のお気に入りはNo.1はマニフィカートです、大作ではありませんが、バッハの作品の中で最も美しい曲です。
大作の方では、演奏にどえらい時間がかかるクリスマス・オラトリオがお気に入りです。

エラート ΣRATOは元々フランス発のレーベルです、ERATOのEがΣと言うギリシャ文字に成っているのが特徴です、ギリシャ神話の舞踏や詩作の女神エラトから来てる名前の様です。
やはり、フランス物が多い様ですが、それ以外の音楽も多数取り上げています、私の印象では大編成のオーケストラ作品より、バロック以前の音楽や室内楽、小編成のアンサンブルが得意の様に感じています。
ご他聞にもれず、クラッシク音楽CDの不振や色々の影響で事業縮小や転売を重ねられて現在はワーナーグループに属している様です。

バッハ:ロ短調ミサ曲/マニフィカト

ソリストが異なりますのでこの録音とは違うと思います

2016年1月27日水曜日

ベートーヴェン交響曲第七番 レナード・バーンスタイン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

レコードデーター

ベートーヴェン
交響曲第七番 イ長調 作品92
ドイツ・グラムフォン 28MG0024 (2531 313)
レナード・バーンスタイン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1978年10月31日-11月2日 ライブ録音
ウィーン・ムジークフェラインザール

前回のカルロス・クライバーの章で交響曲第七番が好きだ、と言った都合上聴かない訳には行きません。
ウル覚えで確かジェームズ・ロッホラン指揮ハレ管弦楽団でベートーヴェンの交響曲第七番のレコードを持ってたと思いましたが出て来ません。
代わりに出て来たのがこれです、レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のベートーヴェン交響曲第七番です。
これって、今言ったロッホランよりもずっと格上と言う感じです、こんなの持っていたのかと今更感心致しました。

さっそく聴いてみました、先ずバーンスタインと言えばニューヨーク・フィルそしてバーンスタインと言えばウエストサイド・ストーリーです。
思いっ切りアメリカンな雰囲気です、それがウィーン・フィルとベートーヴェン!?と言う感じがしますが、これが割りとしっくり行っています。
考えたら(考えなくても)当たり前ですが、あのウィーン・フィルがベートーヴェンの交響曲を演奏するのです、指揮台にイタリア人指揮者が立ってもロシア人指揮者が立っても、マエストロと呼ばれる程の指揮者なら、出てくる音楽はウィーン風でなければ成りません。
全体的にどんなん、と言いますと一言で言えば「元気の出る交響曲です」、概ねベートーベンの交響曲は偶数番が優美、奇数番が雄大だそうですが第七番はこれに加えて超リズミカルです、これが元気が出る理由かと思います。
バーンスタイン自身元気のある指揮者と言う印象ですから、良くマッチしてると言う事だと思いました。
曲のことを書けば第二楽章がお気に入りです、元気の合間に少々重い感じのテーマを積み重ねていく雰囲気が好きです。

ドイツ・グラムフォンと言えば黄色いラベルのレコードでお馴染みです。
その勢いはクラッシクレコード界で揺るぎのない者だと言う雰囲気です。
なんと言っても大御所と言われる様な巨匠指揮者をくまなく網羅して、レコード評論家や演奏批評家が好んで使う「円熟の極み」「最高の熟達」「完璧の余韻」と言うセンテンスに相応しいオーケストラやソリストで録音するんですから間違いありません。
少々難ありでも腕力で押し切るパワーを持っている、と言うのがその印象です。
このレコードもライブ録音ですが、先のクライバーの四番と違って咳きや拍手はカットされています、編集のグラムフォンの面目躍如と言う風情です。

ベートーヴェン:交響曲第7番&第8番(紙ジャケット仕様)

この写真と同じジャケットです(レコードは七番のみ)。

2016年1月24日日曜日

ベートーヴェン交響曲第四番 カルロス・クライバー バイエルン国立管弦楽団

レコードデーター

ベートーヴェン
交響曲第四番 変ロ長調 作品60
ORFEO 25PC-10040 (S100841B)
カルロス・クライバー 指揮
バイエルン国立管弦楽団
1982年5月3日 ライブ録音
ミュンヘン国立劇場 

米国のオケが続いたので、やっぱり本場欧州のオケを聴きたいと思いました。
そこで、手に取ったのこのレコードです。このレコードが出た時の記憶では「奇跡の四番」とか何とか言って大変喧伝された様に記憶しています。
そもそも、このレコードは最も偉大なマエストロの一人、カール・ベームの追悼演奏会のライブ録音です。
タクトを振ってるカルロス・クライバー自身も大変高名な指揮者ですが、録音嫌いが定評でレコードが大変に少ないです。
その上演奏会も気むずかし家で、気に入らん事があれば、直前キャンセルとかもあったらしいです。
ウィーン・フィルとも揉め事を起こしてしばらく疎遠だった様ですが、その後仲直りしたのかニューイヤーコンサートでタクトを振っています。

さて、改めて聴き直した第四番ですが、マイナーではありますが均整のとれた素晴らしい交響曲だと思いました。
形式的にも良く整っている上に、第二楽章のアダージョは感情に流されず抑制的で、第三楽章のスケルツォでの力強さを強調している様に感じます。
演奏に関して「奇跡の四番」と喧伝するほどか。と若干の疑問もありますが名演奏の一つである事は間違いないと思います。
ベートーヴェンの交響曲と言えば、第五番運命と第九番合唱が両横綱、第三番英雄と第六番田園が両大関と言ったところでしょうが、この第四番も一押しかと思いました。
が、しかし、私が一番好きなのは第七番です。
この録音ですがライブ録音です、楽章間の観客の咳きや最後の拍手なども収録されています。

ORFEO (オルフェオ)には、青ラベルと赤ラベルが在って、このレコードの様に赤枠のジャケットはライブ録音の様です、青枠はレコード用の録音の様です。
ドイツのバイエルン州はバイエルン大公国の流れをくんで音楽文化の盛んな所です、その州都ミュンヘンのレーベルの様でレコードもミュンヘンの音楽家のレコードが多い感じです。

ベートーヴェン:交響曲第4番 カルロス・クライバー(CD)

輸入品のCDで入手可能の様ですね